ワーママでもキャリアを諦めない―仕事と育児を両立する「自分らしい働き方」

ふくだまゆさん

「ママになっても、自分らしく生きたい」

これは、私が仕事をするうえで大切にしていることの一つです。私は現在、2人の子どもを育てながら、アパレルブランドのディレクターとして働いています。

仕事も頑張りたい。自分がやりたいと思うことにも挑戦したい。

でも、子どもたちとの時間も大切にしたい。

どちらか一つを選ぶのではなく、仕事と育児のどちらも諦めずに生きていきたいと思っています。そして、そんな姿を子どもたちにも見せたいと思っています。

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■この記事を書いた人:福田真由さん

ブランドディレクター

2児の母として子育てをしながら、アパレルブランドのディレクターとして勤務。
仕事も子育ても自分のやりたいことも諦めたくない!をモットーに、日々奮闘。
30代になってから「自分らしく働くこと・生きること」を改めて考えるようになり副業でライターにも挑戦中。

以前の私は、「大学を卒業して大きな会社に入り、そこで働き続けること」が一つの正解だと思っていました。

でも、30歳を超えた頃から、少しずつ考え方が変わっていきました。

大切なのは、周りから見た「正解」を選ぶことではなく、自分は何が好きなのか、どんなことをしているときに夢中になれるのか、どんな人生を送りたいのかを考えること。

結婚や出産を経験し、一度はキャリアを諦めるような働き方を選んだ私が、もう一度仕事に挑戦するようになったことで見つけたのは、「ワーママだからこそ、自分に合った働き方を選んでいい」ということでした。

「大企業に入れば安心」だと思っていた

ワ―ママ キャリア

私は4年制大学を卒業後、いわゆる「大企業」に就職しました。

当時の私にとって、「大学を卒業して、安定した大きな会社に就職する」というのは、ごく自然な選択でした。

できるだけ安定した会社に入り、そこで経験を積みながら働き続ける。

それが一つの「正解」だと思っていたのです。実際、大きな会社で働くことで学べたこともたくさんありました。一方で、働き続けるうちに、少しずつ自分の将来について考えるようになりました。

そのきっかけの一つが、周囲で働いている女性たちの姿です。

当時勤めていた会社には転勤があり、結婚や出産を機に退職する女性も少なくありませんでした。仕事を続ける場合でも、家庭との両立を考えて残業の少ない部署へ異動したり、リーダー職を辞退したりするなど、それまでとは違う働き方を選ぶ女性もいたのです。

これから結婚や出産を考えていた私は、そんな女性たちの姿に自分の将来を重ねるようになりました。

「結婚して子どもを持ったら、私も仕事か家庭か、どちらかを選ばなければならないのかな」そんなことを考えるようになったのです。

私は仕事も頑張りたい。でも、いつか子どももほしい。キャリアも育児も、できることならどちらも諦めたくない。

そう考え、私は結婚を機に転職することを決めました。

キャリアを諦めたくなくて転職したのに「自分からキャリアを諦める」選択をしていた

ワ―ママ キャリア

転職後に選んだ仕事は、CADオペレーターでした。

図面を作成することが主な仕事で、基本的には決められた指示をもとに業務を進めます。自分で何かを決めたり、仕事そのものを動かしたりする機会は、それほど多くありませんでした。

振り返ってみると、私はこのとき、家庭とキャリアのどちらかを選ぶなかで、キャリアを諦めるような働き方を自分から選んでいたのだと思います。

これから子どもを産んで、家庭を持つ。

そう考えたときに、「仕事は無理なく続けられるものでいい」と、どこかで思っていました。仕事より家庭を優先できる働き方を選ぶことが、これからの自分にとって一番現実的だと思っていたのです。

ところが、実際に働き始めてみると、少しずつ自分の中にモヤモヤした気持ちが生まれてきました。

「私は、このままでいいのかな……。」そう思うようになったのです。

自分で考えて、自分で決めて、人の心を動かすような仕事がしたい。もっと仕事に夢中になりたい。

そんな気持ちが、自分の中にまだ残っていることに気づきました。安定して働けることと、仕事に満足できることは、私にとって同じではありませんでした。

「ママが輝く社会をつくる」出会いで変わった子育てとキャリアへの考え方 

ワ―ママ キャリア

そんな中、私は妊娠しました。産休に入り、これからの働き方について改めて考えていたタイミングで出会ったのが、現在働いている会社です。

当時、会社の社長が発信していたのが、「ママが輝く社会をつくる」というコンセプトでした。

この言葉を目にしたとき、とても心に響いたことを覚えています。ずっとモヤモヤを抱えて働いていた私にとって、この言葉は、まさに自分が求めていたもののように感じました。

「この会社なら、ママになっても自分らしく、わくわくしながら働けるかもしれない」

そう思い、私はこの会社で新たな一歩を踏み出すことを決めました。一度は自分から手放しかけたキャリアが、ここからもう一度動き始めたのです。

ワーママの働き方が変わった理由―責任ある仕事と両立できる時間の使い方 

この会社で働き始めてから、私の中で「ママとして働く」ということへの考え方が大きく変わりました。

それまでは、子どもがいれば時短勤務や急な休みなどで物理的に働ける時間が短くなり、リーダー職などの責任ある仕事に就くことは難しいと考えていました。

でも、今の会社では、働く時間を比較的自由に組み立てることができます。

子どもの予定に合わせて中抜けをしたり、早朝や夜に仕事をしたり、急な休みで平日にできなかった仕事を別の日に進めたり。自分で仕事と家庭の予定を調整しながら働くことができます。

もちろん、「自由に働ける」ということは、「好きなときに休める」という意味ではありません。自由である分、自分の仕事には自分で責任を持つ必要があります。

今日できなかった仕事をいつやるのか。

期限までに終わらせるために、どう時間を使うのか。

そこまで含めて、自分で考えます。

でも私にとっては、その責任がむしろやりがいにつながっています。そして何より、子どもの都合で仕事を調整するときに、必要以上に「申し訳ない」と思わなくていいことも、大きな変化でした。

この働き方を経験して、「ママだから責任ある仕事はできない」のではなく、「責任を果たせる働き方を選べること」が大切なのだ、と考えるようになりました。

ワーママの働き方は、一つではありません。子どもの年齢や家庭の状況、自分が目指したいキャリアによって、必要な働き方も変わります。

だからこそ、「子どもがいるからこの働き方しかできない」と決めつけるのではなく、自分に合った働き方を探すことが大切なのだと思います。

この働き方だから「ディレクターへのキャリアアップに」挑戦できた 

私は現在、アパレルブランドのディレクターをしています。もちろん、最初からディレクターだったわけではありません。

自分で働き方を調整できる環境だったからこそ、「ママだから」と諦めることなく、さまざまな仕事に挑戦することができました。

少しずつ任される仕事が増え、それが自信につながり、入社6年目でディレクターというポジションに立候補しました。

ディレクターになると、仕事の量も責任も増えます。

決められた業務をこなすだけではなく、自分で考え、判断し、周囲と連携しながら仕事を進めなければなりません。どうしても勤務時間内だけでは終わらない日もあります。

だからこそ、私は今の会社の働き方でなければ、ディレクターに立候補すること自体を諦めていただろうと思っています。

「残業はできない」「決まった時間には必ず退勤しなければならない」という制限があったとしたら、やりたい気持ちがあっても、物理的にその役職を全うできないことがあります。

能力がないからでも、やる気がないからでもない。

「その仕事を担える働き方ができない」という理由で、キャリアを諦めなければならない。

実際、そういう女性は少なくないのではないかと思います。私自身、一度は家庭との両立を考えて、自分でキャリアを諦めるような働き方を選びました。

だからこそ今、強く感じています。

ワーママがキャリアアップを目指すために必要なのは、「責任の軽い仕事を選ぶこと」ではないのかもしれません。責任ある仕事を任されながらも、その責任を果たすための時間の使い方を自分で選べること。

私にとっては、それが仕事と育児を両立しながらキャリアを続けるために、とても大切なことでした。

子育てしながら働く「ワーママ同士の支え合い」があっての両立

とはいえ、今の働き方がすべて自分一人の力で成り立っているとは思っていません。会社やチームのサポートがあるからこそ、できていることがたくさんあります。

現在の会社では、私の周りには同じように子育てをしながら働いているママがたくさんいます。

子どもの発熱や学校からの呼び出し、急なお迎え。

そういったことをお互いが経験しているからこそ、「大丈夫だよ」と自然に言い合える環境があります。

誰かが大変なときには、できる人が助ける。

そして、自分が助けてもらったら、別の機会に誰かを助ける。

そんな思いやりの連鎖があるからこそ、今の働き方が成り立っているのだと思います。

ママが働きやすい会社をつくるためには、制度だけでは足りません。「お互いさま」と思えるチームや組織の文化も、とても大切なのだと感じています。

仕事と育児を両立するためには、働く本人の努力だけではなく、周囲の理解や職場環境も欠かせません。

だからこそ、これから働き方を選ぶときには、勤務時間や制度だけではなく、「子育てをしながら働く人がどのように受け入れられているのか」という会社の文化にも目を向けてほしいと思います。

子育てしながらキャリアアップするために大切なこと

私自身の経験から感じるのは、子育てをしながらキャリアアップすることと、家庭を大切にすることは、必ずしも相反するものではないということです。

もちろん、子どもが小さい時期は、独身の頃と同じように働くことが難しい場面もあります。子どもの体調不良や学校行事など、自分の努力だけではどうにもならないこともあります。

だからといって、「子どもがいるからキャリアアップは無理」と最初から決める必要はないと思います。

大切なのは、自分にとってどんな働き方なら仕事と育児を両立できるのかを考えること。

そして、「今の自分にできること」を少しずつ増やしていくことです。

私の場合は、働く時間を自分で調整できる環境があったからこそ、新しい仕事に挑戦できました。挑戦して、仕事を任されるようになって、自信がついて、さらに大きな仕事に挑戦する。

その積み重ねが、ディレクターという現在のポジションにつながっています。

キャリアアップは、必ずしも一気に大きなステップを踏むことではないのだと思います。その時々の自分にできることを見つけながら、一歩ずつ前に進んでいく。

それも、自分らしいキャリアの築き方の一つなのではないでしょうか。

子どもたちに伝えたい「正解」を選ぶことより「好き」を見つけること

振り返ってみると、私のキャリアは決して一直線ではありませんでした。

大学を卒業して大企業に入ることが「正解」だと思っていましたが、結婚を機に転職し、一度はキャリアを諦めるような働き方を選びました。

そして、出産を経験し、その後もう一度、自分がやりたい仕事に挑戦しました。今もまだ、自分のキャリアが完成したとはまったく思っていません。これからやってみたいこともありますし、新しく勉強したいこともあります。

きっとこの先も、家族の状況や自分自身の気持ちに合わせて、働き方や目標は変わっていくのだと思います。

だから私は、子どもたちにも「この道を進めば間違いない」という一つの正解だけを教えたくありません。

もちろん、勉強することも大切です。

大学へ進学することも、大企業に入ることも、素晴らしい選択肢です。

でも、それ以上に、「自分は何が好きなんだろう」「何をしているときが楽しいんだろう」「どんなことなら頑張れるんだろう」ということを見つけてほしいと思っています。

そして、もし一度選んだ道が違うと思ったら、途中で変えてもいい。一度諦めたことに、もう一度挑戦してもいい。

それを言葉だけで伝えるのではなく、私自身の生き方を通して見せられたらと思っています。

ワーママでも「自分らしく働き」キャリアを築いていい 

仕事と育児の両立は、決して簡単なことではありません。それでも、母親になったからという理由だけで、自分のやりたいことまで諦める必要はないと思っています。

私自身、一度はキャリアを諦める方向へ進みました。

でも、「このままでいいのかな」という気持ちに向き合い、もう一度挑戦したことで、今の仕事にたどり着くことができました。

これからも、母として、そして一人の働く女性として、自分の「やってみたい」という気持ちを大切にしていきたいと思っています。

そして子どもたちにも、「一つの正解にとらわれず、自分が好きだと思える道を選んでいい」「何歳になっても、新しいことに挑戦していい」と伝えたい。

その言葉を、自分自身の生き方で体現できる母でありたいと思っています。

ワーママとして働くことも、キャリアアップを目指すことも、自分らしく生きることも、どれか一つを諦めなければいけないわけではありません。

自分の人生で何を大切にしたいのか。

どんな働き方なら、自分らしく仕事と育児を続けていけるのか。

答えは一人ひとり違います。だからこそ、「ママだからこう働くべき」と決めつけず、自分に合った働き方を探していきたい。

それが、私がこの経験を通して見つけた「自分らしい働き方」です。

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